マスターに"切らない"極厚をお願いする
私のある欲求は日ごとに強くなった。
その欲求とはとんかつの"極厚"をそのまま食べたいというものだ。
極厚のとんかつを揚がった後も切らないことに新たな発見や旨さを求める。
限定とんかつは一旦お休みであり、これを機にマスターにお願いする。
完食できないことは礼儀に反するので、栄太豚の極厚を単品で注文する。
マスターは極厚の肉を切る。
女将さんがその厚みを測ると5cmあるという。
これに衣がついてさらに厚みは増す。
食べ切れるか不安になる…
マスターによると、とんかつはフライヤーで半身浴してるというw
揚げる前の処理でも包丁を使わない条件は通常の極厚と勝手が違うそうだ。
しかしマスターは職人の勘を頼りにとんかつを揚げる。
肉に刺した竹串を肌に当てて中心の温度を確認する。
そしてとんかつは揚がる。
カットされない極厚のとんかつはまるでレンガだ…
せっかくフォークとナイフを用意していただいたが、私の中でそれらを使うことは反則だ。
箸で持ち上げられるものではなさそうだ。
とんかつを手づかみし、それにかぶりつく。
マシュマロのように柔らかい肉に驚く。
レンガのような見た目を裏切る柔らかさだw
噛んでいる間、豊富な肉汁をこぼさないように肉と対峙する。
自然と常に筋繊維を意識するようになる。
肉の中も外も均等に熱が入っている。
すばらしいマスターの技にも改めて驚く。
単品という理由もあり、とんかつを食べることに専念できる。
自分でも驚くほど恐ろしく食べやすく、肉が熱いまま完食する。
もちろん、肉汁を余すことなく堪能した。
しかも旨すぎて塩を使うことを忘れたw
マスターのご厚意に甘えて私のお願いを叶えていただき、私はこの食べ方の結果に満足する。
これは豚を最も旨く食べる1つの方法だろう。
ただ、そのまま手づかみなので手は油で被われ、熱いものを食べたときの鼻水の処理に困る…w
カットしない極厚の食べ方
- 混雑する時間帯で注文しない
- 手づかみ用のペーパーナプキンを持参し、そのゴミを持ち帰る
- とんかつを食べることに専念する
- マスターをはじめとする方々に感謝する
とんかつの単品だったので、ご飯により満腹中枢が刺激されないこともとんかつが食べやすい理由の1つだろう。
2018/02/02 22:44