とんかつ栄ちゃん、限定とんかつの豚は十勝ロイヤルマンガリッツア(14回目)

風が強く、自転車のペダルが重い。
しかしとんかつという原動力を胸に進む。

店に入り、席に着く。
今回はブロンドだといい、肉を見せていただく。
削ったという脂身だが、肉の7割以上が脂身で、赤身は太めの親指くらいだ。
しかし、これは私にとって大正解の肉である。
マスターが脂身を持つや否や、脂身は少し変形する。
それだけ融点が低いことを示す。

この豚に添えられる野菜の1つはリーキだが、見たことがないような太さに驚く。
これは鈍器だ…w
肉の整形で出た薄く削がれた脂身をマスターは冷蔵庫から取り出す。
そのリーキに巻くためのものだが、手にかかる薄い脂身は包帯のように見えるw

とんかつはできあがり、女将さんに配膳される。
リーキの鮮やかな緑はきれいだ…
まず、とんかつを食べる。

端の1切れを取り、その断面を愛でる。
脂身は加熱により面積の比率を下げるが、それでも5〜6割くらいを残す。
怪しい微笑み、赤身を先に口へ運ぶ。

調理する前の赤身はマグロの赤身のような色だった。
大陸系の豚のように原種あるいは原種に違い豚の赤身は赤身の色が濃い。
そんな赤身の旨みはこの世の旨いものの中でもトップクラスだろう。
他の旨いものを蹴散らす力があるのだ。

脂身の舌触りを楽しむ。
ぷるんと官能的な舌触りは量があるからできる楽しみ方だ。
軽く噛むだけで砕けた脂身は融けて香りを放つ。
口の中で感じられる融ける様も官能的である。

リーキは十分に育ったもので、香りがある。
甘さが持ち味の柔らかいリーキと異なり、香りで脂身と共演する。

そして熟成されたメークインはいつもおもしろいと感じさせる。
1年ものでも十分に甘く、じゃがいもの可能性に魅せられる。

この豚に撃沈された。
今回も最高のとんかつで最高の食事だった。
今日もごちそうさまでした。

十勝ロイヤルマンガリッツア(2025/12/26)

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→しっかり
メモ
旨いの頂点
2025/12/26 15:18
タグ