とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚はベッカーレーン オーガニックポーク

アメリカの農業と言えば国土の広さを生かした大規模な生産だろう。
しかし一方で、厳格なオーガニックに則る生産者も存在し、このベッカーレーン オーガニックポークもその精神で育てられているそうだ。
今年は泰平の眠りを覚ます上喜撰…と歌われてから170年目で、マスターはこの豚を黒船来航と冗談めかして言う。
確かに、インパクトは大きい…
また、この豚はアイオワ州で育てられているという。
私はFort Madison駅に近いホテルに設置されたカメラからの動画をよく見るが、そのFort Madison駅はアイオワ州にある。
その州の豚がとんかつ栄ちゃんに来ることなんて想像しなかったw

店に入り、マスターから調理する前の肉を見せていただく。
整形の都合で脂身を少し落とされているというが、マスターが脂身の多い部分を選んでくれたこともあり、思ったほど悪くない。

とんかつを待つ間、リーフレットを見る。
リーフレットに猪とどんぐりの絵が入る紋章が描かれている。
これら2つはこの豚のルーツに関係するのだろうか…?

とんかつができあがり、秀ちゃんに配膳される。
とんかつを1切れ取って断面を見ると、筋繊維がとても細かいことに気づく。
そして、食べる。

すこぶる食べやすい。
飼料としてとうもろこしを与えているそうで、オレイン酸だろうか、香りは食欲がわく良質の油を思わせる。
断面で見た細かい筋繊維だが、食べると大きな筋繊維も現れる。
その筋繊維の効果か、赤身を断ち切るときのプツンという歯ごたえはおもしろい。

ベッカーレーン オーガニックポークは日本の豚が敵わないほどの繊細な筋繊維や旨みと香りを持つ豚だ。
濃い旨みの豚と方向性は異なるが、このような豚を作れることはすばらしい。
2,700円、今日もごちそうさまでした。

ベッカーレーン オーガニックポーク

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆→しっかり
メモ
繊細
マスターは冬にまたこの豚を出すと言う。
冬のアイオワ州はその東側の州境に沿って流れるミシシッピ川が凍ることもある寒い地域だ。
豚はどう旨みを蓄えるのか楽しみだ。
2023/07/21 15:17
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