とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚はゴールデン・ボア・ポーク(9回目)

お客さんが店の外で並ぶほど、とんかつ栄ちゃんは今日も盛況だ。
順番を待つ名簿を記入するために店の戸を開けて、目に飛び込む頭を丸めたマスターの姿に驚く。
温和な感じから職人気質も醸す風貌へ変わる。
まもなく50歳を迎えるマスターの心構えだろうと悟るが、マスターの主張は違うようだ。

今日から新しい試みが始まる。
フリーズドライした奏龍(なきりゅう)という味噌が付けられる。
それをとんかつに付けて食べる試みに乗る。

まず奏龍を受け取り、顆粒状の味噌をなめる。
鼻の奥でやわらかな旨みと香りが膨らむ。
ふと濃厚なミルクのアイスクリームにこの味噌をかけて食べたいと思うw
とにかく、いい感じだ。

そしてとんかつができあがり、マスターからお盆を受け取る。
初めはいつものように何もつけずに食べる。

胸をすくような赤身の鮮烈な旨みに感動する。
脂身にも感動する。
良く融けて、清々しく良い香りは心地よく脳をくすぐる。

半分ほど食べたところで奏龍を付けて食べる。
全く別の食べ物になったかのような味や香りはおもしろい。
とんかつの新たな食べ方に満足する。

豚汁の味噌も奏龍だ。
各素材の味の輪郭がはっきりとわかる。
この味噌のポテンシャルは高いようだ。

とんかつに添えられた野菜フライは淡路島産の玉ねぎのフライだ。
加熱された玉ねぎの味は澄んだ甘みにも満足する。

ここ数年、マスターは食事としての総合力を強化してきた。
奏龍は1つの解であり、このゴールデン・ボア・ポークで見事に成就した。
マスターが作るとんかつは毎回すばらしいが、食事の総合力について今回の飛躍は劇的だ。
2,500円(とんかつ2,450円+味噌50円)、今日もごちそうさまでした。

ゴールデン・ボア・ポーク(2018/05/18)

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→しっかり
メモ
鮮烈な赤身の旨み
食べ終わって、マスターのお子さんから鉄道クイズを出されてたじろぐw
しかし最後に彼と"鉄道はJRだ"と意気投合するw
その一方で、知識量と応用力とが爆発的に増加する子供の能力に感心する。
2018/05/18 22:39
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