マスターがこの豚の名を出したのはかなり前のことだ。
ついにこの豚のとんかつを食べる日が来る。
店は満席で、外で少し待つ。
それからお気に入りの席に通される。
2人の常連さんがすでにカウンター席にいる。
ダム建設に携わる常連さんと
マスターが出演したテレビの番組で常連さんの声としてインタビューされた常連さんだ。
話が下手な私はそのインタビューされた常連さんに感心していた。
その常連さんからインタビューされたときの話を聴く。
しばらくして、マスターから情報誌が渡される。
それに栗旨豚と飛騨旨豚を作る
吉野ジーピーファームの吉野夫妻が載る。
微生物群を利用した飼料は
腸内フローラに関係するため興味深い。
代表者の吉野さんは柔道の経験者だ。
養豚界において柔道経験者率は高いw
とんかつはできあがり、配膳される。
食べる。
パン粉の改良は終わったそうだ。
新しいパン粉は揚げたときの色が良い。
油の切れが良く、噛むとサクッという軽快な音が快い。
赤身はマシュマロのように柔らかい。
そして赤身の旨さに驚愕するw
コンパクトにまとまった様々な旨さは口に入れた瞬間にすべて解放される。
"旨味のビックバン"だw
脂身にも驚愕するw
香りは実に豊かで、頭の中に香りの宇宙が広がる。
すばらしい香りに心を奪われ、意識はないw
添えられた塩とともに食べるとより旨い。
私はミネラルが豊富な肉ほど味が豊かであると推測する。
塩に含まれるミネラルが肉に加わり、新たな味のバランスを形成する。
新しいパン粉の塩分はそのバランスを害さず、味は明瞭に感じる。
赤身も旨いが、この香りは愛おしいほどすばらしい。
この豚は私が愛すべき豚だ。
2,400円、今日もごちそうさまでした。
栗旨豚
- 歯ごたえ
- やわらか←☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆→しっかり
- 赤身の味わい
- 淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→濃厚
- 脂身の旨み
- ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆→しっかり
- メモ
- 旨さと香りのビッグバン。
栗旨豚は、その名のとおり、栗を食べているという。
私はなぜ栗やどんぐりなどを豚に与えるかを考えていた。
栗やどんぐりの栄養価を見て、これらがミネラルを多く含むことに気づく。
とんかつ栄ちゃんで"豚のリファレンス"と言えるキントア豚はフランスで育てられる。
フランスの水は硬水であり、豚は水からもミネラルを摂取できる。
日本の水は軟水であるので、水から得られるミネラルは乏しい。
そのためどんぐりなどを積極的に食べさせる必要がありそうだ。
2016/10/21 23:01