とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚はキントア(16回目)

キントアのとんかつという天国のために店に向かう。
開店する前にマスターと話をする。
ただでさえ店を運営することは大変だ。
とんかつ栄ちゃんが30周年を迎えたことはすばらしいが、店を営む真摯な姿勢にその理由がある。

開店と同時に店に入る。
今週から"ついたて"がカウンター席を隔てる。
席につき、マスターから肉を見せていただく。
白い脂身が赤身をマウントする…
期待して待つ。

キントアは特別だ。
CDプレイヤーから流れるDavidさんの歌はあの夜を思い出させる…

そしてとんかつはできあがる。
見た目に鮮やかな野菜フライはじゃがいも"シャドークイーン"のフライだ。

とんかつを食べる。
口にいれれば天国への直行便だ。
旨みが…旨みが…と考えるより幸せに酔う。

脂身は香りがすばらしい!
頭の中で幸せの宇宙が広がる。

シャドークイーンのフライはおもしろい。
奇妙なのは色だけでなく、ねっとりとする。

添えられた塩は薄く青みを帯びる。
ブルゴーニュブルターニュ地方の塩だと言う。
強い味の肉に合う。
このときに今まで悶々と思っていた疑問の答えがわかる。

10年も前のことだろうか。
とんかつを岩塩で食べたとき、岩塩の塩味が勝り、岩塩はとんかつに合わないという判断をした。

一方で、前にマスターからあるDVDを借りた。
ある方がこの豚を育てるオテイザさんを訪れたテレビ番組だ。
そのとき、キントアの味づけは岩塩だった。
キントアほどの味は岩塩に屈しないのだ。

豚汁にキントアを削いだ肉が入る。
この上ない料理だ。

マスターが作るキントアのとんかつを中心とする料理に感動する。
4,000円、今日もごちそうさまでした。

キントア(2020/07/31)

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★→しっかり
メモ
天国への直行便
ついたての効果は別の意味で絶大だ。
店を出るまで幸せに浸り、店の外に出た途端に現実の世界に戻される。
その落差が激しいw
ブルゴーニュと聞き間違えたので岩塩と思ったが、ブルターニュの塩は塩田から採れる塩だ。
塩の粒子は岩塩のそれと違うw
2020/07/31 19:23
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