とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚は上野村いのぶた

話は1ヶ月前のことである。
マスターはこの猪豚に会うために群馬県の上野村を訪れ、その環境に感激していた。
個人で生産されていたこの猪豚は生産者の高齢化で消滅しかけた。
しかしこの猪豚を救ったのはJAだった。
JAの心意気に感動した。

そして、今日である。
店に入るとレトロゲームマスターの常連さんがいる。
先に常連さんのとんかつができあがり、感想を伺う。
稀有な脂身と融けるような赤身だと仰る。

赤身が融けるというのはどういうことだろうか?
私のとんかつもできあがるが、私の頭の中は"?"で埋め尽くされている。
赤身と脂身をより感じるようにリブ側でない方をマスターにお願いした。
マスターと猪豚を継いだ生産者・JAに感謝に込めてとんかつをいただく。

赤身はよく引き締まり、筋繊維は密である。
それ故の肉汁は少ない気がするが、旨みは十分ある。
そして重要なのは全く獣臭くないことだ。
部位が異なるためか、私の赤身で融ける感じはなかった…

今回驚いたのは脂身である。
脂は袋状で、この"脂袋"を噛むと液体となった脂が噴出する。
食べていて楽しい脂身である。
脂の香りは軽い感じで、こちらも獣臭くない。

猪豚は2つのタイプがある。
それぞれの親が猪と豚の場合と両親ともに猪豚の場合である。
上野村いのぶたは前者である。
猪の荒々しさを味からは感じられず、猪と豚の融合は良い感じだ。

猪豚は臭いと言われてきた。
しかし上野村いのぶたはその汚名を葬り去るすばらしい食材である。
2,350円、今日もごちそうさまでした。

上野村いのぶた(2014/11/21)

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆→しっかり
メモ
上野村いのぶたは大切に付き合う必要がある。
猪豚はその半分が豚でもう半分が猪である。
豚はイノシシ科だが、豚の亜種はイノシシのそれらと異なるらしい。
それを考えると、猪豚のかつをとんかつと呼んでよいものだろうか…w
2014/11/21 22:37
タグ