今期の冬は暖かい。
店に入り、秀ちゃんに出された暖かいお茶に今が冬であることを思い出す。
マスターと常連さんとの話に耳を傾けて相槌を打つ。
今回の鶏は青森シャモロックだ。
早く食べたい…と思っていると秀ちゃんに配膳される。
食べる前にもも肉を愛でる。
見事なほど方向がそろう筋繊維は実に美しい。
美しいからと見とれて食べ時を逃してはならない。
上品だが力強い旨みに心の中で喜びを叫ぶ。
むね肉に驚く。
まるで溶けるように柔らかい。
この歯ごたえで私の脳は生湯波を思い出す。
マスターは調理法により鶏肉の種類で肉の柔らかさ・硬さが変わると言うが、私はこの鶏の
すべて
を受け入れたい。
もっと食べたい、もっと知りたい。
W村越が紡ぐ至極の鶏かつだった。
3,500円、今日もごちそうさまでした。
2020/01/22 22:05