とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚はシュベービッシュどろぶた(6回目)

先週、マスターは来週の豚(=シュベービッシュどろぶた)はリベンジだと言っていた。
前回のシュベービッシュどろぶたのときは急性膵炎になったマスターの代わりに秀ちゃんが務めを果たした。
病気は生きているからこそ患うものだが、その原因は本人にある場合もあれば、雑な表現だがの場合もある。
しかしマスターは自戒を込めてそう言った。

私の用事の都合で、早めに店を訪れる。
秀ちゃんに案内させて席に着くと、マスターは私に肉を見せる。
猪豚の肉を思わせるような深い赤色の赤身が印象的だ。

マスターと女将さんの話を聴いてとんかつを待つ。
そしてとんかつができあがり、配膳される。
とんかつの1切れを持ち上げて、筋繊維を愛でる。
赤身は見るからに詰まっている。

赤身を食べて頭に現れたイメージは旨みの平原だ。
私が豚の放牧地に飛ばされたのかと思うような草原だ。
原種やそれに近い豚の持つ旨みの層の豊かさは居心地の良さとして感じる。

脂身は典雅な香りに富む。
脳をくすぐり、去っていく…
あの白いものが融けて香りとなれば、これほどの小悪魔となるw
恐ろしくもあり、快感でもある。

マスターは職人だ。
マスターが前回のことを不名誉と感じているならば、それを雪ぐ意味のリベンジは達成しているだろう。
一方で、純粋にシュベービッシュどろぶたを味わう機会は私にとって幸せなことだ。
5,000円、今日もごちそうさまでした。

シュベービッシュどろぶた(2022/12/23)

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→しっかり
メモ
この豚にまつわるストーリーは現在も紡がれている
2022/12/23 13:37
タグ