一般化した三角関数の可能性を探る

昔、ある先生が
  1. f(x+y) = f(x)g(y) + g(x)f(y)
  2. g(x+y) = g(x)g(y) - f(x)f(y)
を満たせば三角関数であると言っていたのをよく思い出す。
sin、cosはこれらを満たすが、その一般化のことを言っていた。

私はたまに思い出しては計算し、その性質を求める。
それはパズルのようでなかなかおもしろい。
関数fgは実数上で定義された実数値関数とする。

x=y=0とすれば1.式から
  • f(0) = 2f(0)g(0)
  • f(0) ( 1 - 2g(0) ) = 0
  • f(0) = 0 または g(0) = 1/2
を得る。
もしg(0)=1/2ならば、2.式より
f(0)f(0) = g(0)g(0) - g(0) = -1/4
となって{f(0)}2≧0に反する。
故に
f(0) = 0
である。
2.式に代入すると
  • g(0) = g(0)g(0)
  • g(0) ( 1 - g(0) ) = 0
  • g(0) = 0 または g(0) = 1
もしg(0)=0ならば2.式より
g(x) = g(x+0) = g(x)g(0) - f(x)f(0) = 0 (∀x)
となり、話はおもしろくないw
∃xg(x)≠0を課すとg(0)=1の結論を得る。

これほど緩い条件でもsin0=0、cos0=1に似た式が得られる。
さらに進める。

y=-xとした1.式の
f(x)g(-x) = - g(x)f(-x)
を使って、2.式を変形する。
1 = g(x)g(-x) - f(x)f(-x)
f(x)をかけて
  • f(x) = f(x)g(x)g(-x) - f(x)f(x)f(-x)
  • = - g(x)g(x)f(-x) - f(x)f(x)f(-x)
  • = - [ {f(x)}2 + {g(x)}2 ] f(-x)
便宜的にz(x)={f(x)}2 + {g(x)}2とすれば
f(x) = - z(x)f(-x)
を得る。
g(x)をかけた場合は
  • g(x) = g(x)g(x)g(-x) - g(x)f(x)f(-x)
  • = g(x)g(x)g(-x) + f(x)f(x)g(-x)
  • = [ {f(x)}2 + {g(x)}2 ] g(-x)
から
g(x) = z(x)g(-x)
を得るが、これらを1=g(x)g(-x)-f(x)f(-x)に代入すると
  • 1 = g(x)g(-x) - f(x)f(-x)
  • 1 = z(x){g(-x)}2 + z(x){f(-x)}2
  • 1 = z(x)z(-x)
を得る。

もしz(x)=1ならばf(x)は奇関数、g(x)は偶関数になる。
しかし元の条件が緩すぎるので、そこまで言えない…

2つの関数の関係を前提に進めると形式の発展性は見込める。
他との関係を使って自分自身を記述できることもあるからだ。
2014/04/08 22:49
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