とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚はキントア豚

4月に私はこの豚を食べている
いわば"パイロット版"だが、そのときの感動は今も鮮やかに蘇る。
この豚が正式な限定メニューとして登場するのは今回が初となる。

マスターと女将さんは首に赤いスカーフを巻いている。
そのスカーフの角にあしらわれたキントア豚の刺繍は良いアクセントだ。
とんかつ栄ちゃんの黒いTシャツとも良く合う。
そして壁にはCOCHONと書かれたタペストリーが飾られている。
生産者であるピエールさんの思いを受けたマスターの気合は十分だ。

渡されたリーフレットを見てとんかつを待つ。
キントア豚は広大な丘陵地帯を自由に動けるらしい。
豚は豊富な餌と相当な運動量が求められる環境で育つはずだ。
それがどのように味に影響するか気になる…

とんかつができあがり、食べる。

初めの1切れ目から感動の絶頂を迎える。
1切れ目は脂身のみで、脂なのに豊かな香りが口の中で暴れるw

2切れ目から赤身を含む。
筋繊維は細かく、絹のようだ。
味は"旨い"の最上級を超え、崇高と言える。
やはりこの旨さは環境によるものだろう。

ワインのテイスティングのように、口に空気を含ませて食べてみる。
すると香りをより豊かに感じ、力強さも感じる。

キントア豚の旨さは崇高と言えるほどすばらしいものだが、絶滅に瀕したキントア豚を見事に復活させたピエールさんの取り組みを忘れてはならない。
キントア豚とピエールさん、そしてマスターに感謝だ。
3,700円、今日もごちそうさまでした。

キントア豚

歯ごたえ
やわらか←☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆→しっかり
赤身の味わい
淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★→濃厚
脂身の旨み
ほのかに←☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★→しっかり
メモ
崇高と言えるほどの旨さに感動する。
今日の豚汁には里芋が入る。
里芋の食感とキントア豚の細かい筋繊維との相性は良いようだ。

COCHON(コション)とはフランス語で豚という意味らしい。
日本語の"ブタ"という響きは豚の価値を下げる響きに聴こえる。
濁音のせいだろうか…

2015/09/25 22:04
タグ