父に誘われて船橋オートレース場に行く
前にオートレース場が廃止されると報道された。
父に廃止される前に行こうと誘われる。
ギャンブルが嫌いな私は渋々行く。
入口で待ち合わせた父とともに入場する。
今日の最終レースは優勝戦もあるということで人は多い。
スタンドに入る。
日はすでに西に傾き、スタンドを照らす。
まぶしいので一度奥に戻る。
別のスタンドの奥には飲食店が並び、多くの人が飲食を楽しむ。
私もモツの煮込みを買い、父とスタンドのベンチに座る。
このモツの煮込みは絶品だ。
白味噌がベースのスープはわずかにとろみがある。
コラーゲンが豊富なのだろう。
オートレース場にこんな旨いものがあるのかと驚く。
これだけでもオートレース場に来た価値はある。
遅く行ったので11レースから観戦する。
レースが始まるまで父と話しながら観察する。
客層は年配者が多いが、若い人や子連れの家族も多い。
各々がそれぞれの楽しみ方をしている。
しかし、どこでもタバコをふかす観客や散乱するゴミに私はなじめないw
レースが始まる。
近隣の環境に配慮するためにバイクにサイレンサーがつけられていると聞いていたが、それでも轟音を響かせてスタートする。
それと同時になぜか感情がこみ上げ、目に涙がたまる。
オートレース場に対する誤った先入観を持った自分の愚かさと廃止になる悲しさとが混ざった感情が、バイクの轟音によりそのタガが外されたようだ。
その一方で、本当に涙もろくなったと呆れる自分もいるw
冷静さを取り戻し、レースを観戦する。
ぐるぐる周回するだけに見えるが、駆け引きはあるのだろう。
残り2周で8番の選手が一気に追い上げて2位をキープし、最後のコーナーからトップに並んでゴールする。
私がいる位置からは同着に見える。
そして8番の選手が勝ったことがアナウンスされると場内が沸く。
すごいものを見せつけられた…
12レースまで時間がある。
父に聞くと、競馬のレースの間隔より長いようだ。
賭けに興じないとテンポが悪く感じる。
12レースが終わり、一部の観客はトラックを囲うフェンスに寄る。
勝った選手のウイニングランが始まる。
勝った選手は観客の喝采を浴びながらトラックを走行する。
私も選手に拍手を送る。
帰路につく。
ロングポテトが気になるが、それは次に来たときだw
私はオートレース場で食べる楽しみを見つけた。
オートレース場は、単に賭け事をする場所ではなく、独特の娯楽施設だ。
これを失うことは文化的に大きな損失である。
船橋オートレース場も函館競馬場のように綺麗だったらなぁ…
2015/10/25 17:29