とんかつ栄ちゃん、今回の限定とんかつの豚は今帰仁アグー(5回目)
前回はヒレを注文して、今回はロースに戻る。
とんかつを待つ間に血統書を見せていただく。
今回の豚の飼育期間は最長で15ヶ月だ。
それだけ手間暇を惜しまずに育てている貴重な豚である。
とんかつの前にてびちをいただく。
マスター渾身のてびちはやはりはずせない。
赤身の断面に見える筋繊維は雄々しい。
それをほぐすと"赤い"赤身が現れ、その赤身の旨さにまるで生命の逞しさを感じる。
脂身を食べればねっとりとする感触に心を奪われる。
官能的と言えそうな魅惑の感触だ。
てびちを注文して正解だった。
そして真打のとんかつを食べる。
やはり赤身の旨味は濃い。
赤身に旨味が詰まっていて、噛むと旨味が開放されるという感じだ。
筋繊維は細かく、髪の毛より細い繊維が集まるところもある。
噛むとこのような筋繊維が切られて旨味が開放されるのだろう。
脂身も旨い。
香るのはもちろんだが、一部の脂身で不思議な食感に遭遇する。
シャーベットの常温版とでも言えるだろうか…
噛むと適当なサイズに砕けて融ける。
このおもしろい食感に夢中になるw
今回はマスターの計らいでシークヮーサーがつく。
そして前回と同様に藻塩もつく。
とんかつの半分を何もつけずに食べたところで、これらを使って自分なりの味を見出すために試行錯誤する。
私が気に入った食べ方はシークヮーサーの果汁を口いっぱいに含んで一度飲み込んだ後でとんかつを食べる。
鼻の奥でシークヮーサーの残り香を感じつつとんかつの旨味が楽しめる。
すばらしい豚にはすばらしい旨味が宿る。
4,980円(とんかつ+てびち)、今日もごちそうさまでした。
今帰仁アグー(2015/11/27)
- 歯ごたえ
- やわらか←☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆→しっかり
- 赤身の味わい
- 淡麗←☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆→濃厚
- 脂身の旨み
- ほのかに←☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆→しっかり
- メモ
- この豚の旨みは生命の息吹だ。
食べ終わった後にダム建設に携わる常連さんと共にマスターの話を聴く。
マスターがこの豚を育てている高田さんに感銘を受けていることをよく感じる。
マスターは料理人という立場で自身の哲学に磨きがかかるのだろう。
豚と真剣に向き合っている人たちがいるのだ。
2015/11/27 22:50